瑞雲舎から発売される くすのきしげのりによる短編集『すべての愛しきLifeへ』の表紙絵を担当いたしました。
感動の絵本『Lifeライフ』誕生から10年、舞台となった町外れのちいさなお店「Life」を巡る人々の物語が、読み物になりました。
「Lifeライフ」は、町外れにある小さなお店です。店といっても、誰かが働いているわけでも、何かを売っているわけでもありません。町の人々は、自分の使わなくなったものにメッセージを添えてLifeに置いていき、代わりに何かを持って帰ります。
「Life」がどうやって生まれ、そして、これから人々にどんな未来を見せていくのか、「Life」に関わる人々の物語を描く5作品を収納した珠玉の短編集です。瑞雲舎HPより引用
『Lifeライフ』(作:くすのきしげのり 絵:松本春野)は 2015年に瑞雲舎から出版された絵本で、2024年9月には『Lifeライフ』の数年前を描いた絵本『Love Letter ~私への手紙~』が出版されました。
今回手がけた『すべての愛しきLifeへ』の表紙絵は初めての父との仕事であり、また、初めての表紙絵の仕事ということで、私にとってとても思い入れのある作品です。
瑞雲舎の井上みほ子様には本を作る過程を一から教えていただき、父くすのきしげのりとは話し合い、本作の世界観へのイメージを深めながら、表紙を完成させることができました。心から感謝しています。 ブックデザインをしてくださった井上もえ様、約70×50cmの油絵の原画を綺麗に印刷してくださった印刷会社の瞬報社様など多くの方のおかげで完成させることができました。
表紙の絵は壁に掛かった静物画で、Lifeの物語にゆかりのある画家が描いた絵がLifeのお店の壁に掛けられているという設定です。壁に掛かった絵の周りの壁までが私が油彩で描いた絵で、絵全体の大きさは約70×50cmとなっています。
Lifeのお店を描いたもの、Lifeのある街を上空から見たものなど複数の案があり、その中からLifeを象徴する絵が壁に飾られているようすを表紙にすることが決まりました。
カップやマフラー、本、虫眼鏡など、この絵の中に描かれているものを実際に机の上に配置し、それを参考に油絵で描きました。大きなキャンバスに本番の絵を描く前に、小さいサイズの色付きのスケッチを数枚描いています。
モチーフの選択にも意味があり、また、裏表紙にもあるものが描かれています。お話を読み終えた後には、表紙の絵の中に描かれているモチーフや裏表紙をじっくり見ていただければと思います。
携わらせていただいた『すべての愛しきLifeへ』を多くの方に読んでいただければ幸いです。